化粧品容器製造の需給バランスをどう解決するか考えてみます(4)


2019年冬頃より、新型ウイルスの影響が報道され、知られるようになり、2020年が明けてからはコロナ禍の脅威にさらされた状態が続いています。

特に2020年の春先はパニック状態となり、我々容器業界においても大きな影響を及ぼすことになりました。

 

・消毒液用のスプレー容器の需給バランスが崩れたことによる影響

過去の新型インフルエンザなど脅威が来るたびに、消毒液用の容器の需要が高まり、通常の生産では全く間に合わない状態となりました。

特にガンスプレー(トリガースプレー)の生産設備は日本市場の低価格化に伴うコスト削減の影響や生産キャパシティを増やすため大型の設備を導入する必要もあり、以前より日本のスプレーメーカーは海外に工場を設備し、逆輸入しているのが現状です。国内で製造しているメーカーは殆どありません。

歴史は何度も繰り返すのですが、急激な需要には耐えきれないキャパシティしかないため、たちまち欠品することになります。欠品すると不安より購買心理が働き、さらなる需要が高まる結果となります。

コロナ禍でトイレットペーパーなど紙製品が欠品したことと同じような現象です。

同様にボトルの需要も急激に高まり、キャパシティを超え、たちまち生産できない状況に陥るメーカーも出てきました。

現在(2020年9月時点)でも商品によっては発注から1年近く製造を待つ商品も出てきています。日用消耗する商材としては致命的な状況です。

市場では消毒液など必要十分に確保されるようになっていますが、容器製造現場ではすでに来年の春夏まで新規注文が受けれない状態が続いています。モノ余りが発生する可能性が出てきています。

↑今回のコロナ禍で受付での消毒の習慣ができました(Limo-300PPボトルとシャワーポンプを使用)

 

・化粧品容器の影響

2019年半ばには陰りが見え隠れしていましたが、インバウンド需要(海外旅行者の購買需要)はコロナ禍によってほぼゼロになりました。

お土産として人気のあったフェイスパックやリップ製品の出荷は大きなダメージを負ったことだと思います。アウトバウンド需要(越境ECなど)も動きはじめていたものが突然止まりました。

各社とも想定していたものがたちまち崩れることになりました。

国内需要においても長い自粛期間においてメイクアップを中心に販売不振が続き、大きな影響を引きずることとなりました。弊社でも定番で動いていた店頭販売中心の商材で使用される容器は、注文がパッタリ止まりました。

一方通販業界においては、仕掛け次第で活況を呈している企業も出てきています。元々店頭市場をベースとしていないため、お店が閉まることもなく、販売方法によってはしっかり顧客獲得できている企業もあります。

注目されるのはシャンプーやリンスなどの生産量はわずかな生産減で推移していることです。国内需要がもともと高い商品群のため、大幅に減ることはないのだと思います。

旅行控えのあいだも、ホテルや旅館では使われなくなったシャンプー等は各家庭で消費されることとなったと推測されます。

ホテルや旅館では詰め替えが中心でシャンプー容器の需要は少ないのですが、家庭の場合はまだまだ消費されており、実際にシャンプー容器の注文が増えています。

また消毒液の影響でスプレーやボトルが枯渇している中、化粧品で使用される容器も生産逼迫するものが出てきています。その一方クリーム容器など比較的生産逼迫していない状況に分かれています。

少なからず容器の生産には影響を及ぼしています。

 

・多様性に対応できるか

容器業界もコロナに振り回され、生産逼迫が続く容器と、比較的すぐつくれる容器が混在している状況において、今後どのような対応を取るべきか岐路に立たされています。

足腰を鍛ええるための投資をすべきか?

最小の動きに徹して合理化に努めるか?

正解はありませんが、足腰を鍛えつつも合理化に努め、店頭市場・通販市場・インバウンド/アウトバウンドいずれにも対応でき、自社の企業規模に合わせた対応でバランスよくふるまうことができれば、まさしく多様化・ニューノーマルに沿うことができると信じて進むことが大切だと感じます。

そのためには需要が高まった時に企業規模に合わせた受注調整を行う、客先の規模に応じて生産調整の妥協点を探り、極力パニックにならず、満遍なく供給できる体制ができなければ乗り越えていけないと常々感じます。

 

過去の掲載連載分

化粧品容器製造の需給バランスをどう解決するか考えてみます(1)で化粧品市場の現状を、

化粧品容器製造の需給バランスをどう解決するか考えてみます(2)で実需給バランスについて考えることを、

化粧品容器製造の需給バランスをどう解決するか考えてみます(3)で市場の変化と投資を考えることを

記載しています。