容器の選定と容量の関係を考えてみました

容器に関するお問い合わせは種々様々な内容があります。

商品を開発する企業にとって、まずは容量選びで悩まれることだと思います。

●使用目安量が重視される開発

例えば化粧水を開発する場合容量を検討する基準はどのようなものがあるでしょうか?

・1回適量(使用目安量)×1ヶ月の使用量(1~3ヶ月の使用期間を想定される企業が

多いかも知れません)

・原料単価から割り出される容量

食品調味料だとどのような基準があるでしょうか?

・1人前をつくるために必要な使用量

・一般的な家族構成で使用される1日の使用量

・賞味期限から割り出される使用量

ちなみに医薬品であればどうでしょう

・身体に悪影響を及ぼさないことが裏付けられる量

・使用期限に基づく量

その他、商品コンセプトに基づき、様々なファクターを取り込みながら容量を決めていくものと思います。

ある程度の容量をコンセプトに入れてから容器の選定に入りますが、容器でいいものがなかなか見つからないで苦労されることが多いと思います。

実際に容量を決めることはとても重要な指標になりますが、使用量というのは千差万別であり、ある程度容器に依存することで、容器選択の余地が広がるケースもあります。

●使用目安量は指標であり固定化すると開発が難しくなる

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使用目安として「100円玉大や500円玉大の適量」という表現をされますが1回分のばらつきがあれば当然1ヶ月では使用量の差が出ます。

調味料でも例えば人数構成・学生・成人・男女差・年齢差でも使用量は大きく変わります。

開発コンセプトとして使用量は計算しやすい(根拠にしやすい)要因になるため、とても重要視されます。

容量を決めることはとても重要ですが、購入いただくお客様にとって、容器のデザインなどトータルで納得いただける商品であるかどうかは意識する必要があります。

実際に小売店でお客様が買う動機として、毎日の使用目安と価格と機能性・ブランド等をある程度勘案して買うことはあると思いますが、厳密な容量だけを考えて購入されるケースは少ないかと思います。

●容器に表示される品名と容量

容器(特に汎用容器)の呼称で「商品名+目安容量」で付けられる場合が多いです。

例えばクリーム容器シリーズ「CSシリーズ」には5~150mL目安の品揃えがありますが、各サイズの商品名は「CS-5」~「CS-150」までで表現されます。満注量(「O.F.」とも記載します。オーバーフローの略字。容器本体に水を満水にした量)は一般的に使用目安容量に対し3~10%程度大きいサイズで設計しているものが多いです。

内容物によって比重が変わるので、重量で想定していると量が入らないこともあるので現品で確認することは重要です。

目安と満注量

●満注量を図で表すと以下の通りとなります。

●使用量から考える容量と、トータルコンセプトで選ぶ容器を合わせることがポイント

容器を選ぶ際、容量だけにとらわれずにより広い目線で容器選びを行うと商品づくりがスムーズに進みます。ある程度コンセプトを拡げて容器会社にたずねてみると掘り出し物の容器が見つかるかもしれませんね。